庭田にわとりの家畜日記

家畜なりに何か書きます

1300字小説

この記事はklisアドベントカレンダー3日目の記事です。

adventar.org

 

こんにちは、または初めまして、にわとり(@niwatori_univer)です

 

初めてお目にかかる方もいらっしゃると思うので軽く自己紹介したいと思います

klis16の「庭田にわとり」と申します 車をぶん回している宅通3年目です

丁度一昨年の今頃に所謂「半袖プログラム」でプチバズりした張本人だったり、

去年開催された春日LTでちょこっとプレゼンしたり実はいろいろやってました

詳しいお話はまた別の機会で

 

 今日私がこの記事で語ろうとしていることはズバリ

供養

です

 

ある日の主専攻実習でこのような課題が出されました

  • これから1300字以上の文章を2つ書いてもらいます
  • テーマ「面白い体験談」

 

因みに主専攻実習とは、主専攻に分かれるklis3年次に必修となる2コマ続きの科目で、専攻別にサムシングな実習をします そのままの意味ですね

 

この回の実習は「2つの文章をテキスト解析ソフトウェアを用いて分析する」という旨で、2限目には別のテーマで2本目の文章を書くことになっていました

 

しかし、私は上の課題の意味を捉え間違え

1限分の授業内に1300字の文章を2本書く

という自分でもわけの分からないやらかしダイナマイトを起こしました

 

そんな経緯で出来上がった1300字の面白体験談文章2本をこのままMacに眠らせておくのは勿体無い、そういった思いを持って今回のアドベントカレンダーで勝手ながら供養させてもらおうと思いました 書き上げた時点から修正もしないことにしました

なお、普段漫画しか読まない私には、業間休みも含めた1時間で完璧な文章を書き上げるのは到底難しく、特にオチの辺りがとても駆け足な表現になっていますがその辺は七輪で燃えゆく炭を眺めるような目で見守っていてください

 

 

「ケーキ屋さん」

 

 私はケーキ屋さんで働いている21歳である。朝はまず冷蔵庫にしまってあるケーキをショーケースに並べる。午前中はたまに誕生日ケーキや他所へお土産に持っていくと思しきショートケーキをいくつか買っていくお客さんがいるが、そこまで混むわけではない。お昼、大体3時を過ぎた頃にはおやつとして家族用に買っていくお客さんで溢れかえる。ここが1日のピークだ。夜、閉店するときには再びケーキを冷蔵庫にしまう。一回一回大変だと思うかもしれないが、ショーケースに出しっ放しにするとケーキが乾いて美味しくなくなってしまうのだ。私たちは美味しくて美しいケーキをみんなに食べて欲しい、そういう思いでケーキを一番大切に丁寧に世話しているのだ。

 

 そんな私が売り物のケーキを床に落とした回数は43回である。回数の多さ、1桁目まで覚えている正確さ、いろいろ驚くかもしれないがケーキを大切に扱っているためケーキを床に落とした回数もはっきり覚えている。ケーキを大切に扱っているにも関わらずケーキを落とすのだ。ケーキは何度も私の手から落ちていった。落ちていくケーキは床に着くその瞬間まで形を保ち、まるで自分が落ちていることを自覚してないかのようだった。ケーキは宙を舞った。その美しさに見とれている私はケーキを救おうとは思わなかった。もう手を伸ばしても届かない、伸ばしたところで手がケーキを握りつぶしてしまう、そのような諦めの念もあるが、一番の理由はケーキが落下するという運命を辿る様を最後まで見守りたかったからだろう。自分でもケーキを救おうとしない理由は曖昧で決定できなかったため、先の文の語尾に「だろう」をつけさせてもらった。そう、ケーキを救わない理由は誰にも分からないのだ。そんな中私が唯一断言できること、それは私の手からこぼれ落ちるケーキは美しいということだけだ。まるで生きているかのように私の手を飛び出し、ケーキ屋さんのショーケース手前の床を目がけて一目散に突き進んでいく。ケーキは床に落ちる運命を選んだ。私は悪くない。

 

 ここで私のケーキ屋さんのオススメのケーキを紹介するコーナーに移ろう。決して文字数が余ったからではない。断じて。初めは、いちごのショートケーキ(税込¥324)。お店に納品されるときはいちごが乗っていない、真っ白な状態でやってくる。別に納品されるいちごをお店の店員さんがヘタを取り飾り付けることで初めて完成する。はっきりした赤と白のコントラストは空中でピンクのマーブル模様を描き床に落ちていく。次に紹介するのはベイクドチーズケーキ(税込¥298)だ。薄いイエローのボディーはエネルギッシュでみんなに元気をくれる。そんな元気なケーキは乗ったトレイの上から勢いよく飛び出して行った。番のケーキだった。ケーキの無理心中である。美しい曲線を描き床に飛び込んだベイクドチーズケーキは、綺麗に半分に割れた。クリームのケーキと違いその硬い表面はクッションになるものがなくただただ無残にその身を崩していった。これもまた一興。最後に私の一番好きなケーキを紹介して終わろう。それは、チョコレートのケーキ(税込¥324)である。スポンジとクリームの間には板チョコがサンドされており、ふわふわとパリパリの二つの食感を同時に楽しめる人気のケーキだ。実に落とし甲斐がある。

 

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「ゲーム」

 

 目が覚めたら、そこは見知らぬ場所だった。目の前には冷たく鈍い色のコンクリートが広がり、窓もドアもなくただ天井に明かりが一つついているだけだった。私は灰色に囲まれた小さい部屋にいた。いや、違う。目の前の壁の天井際をよく見ると、壁の向こうに繋がっている空間があることが分かった。というより、一つの大きな部屋がこの壁によって隔てられているようだ。それに妙に頭を締め付けるこの感覚、私は一人、頭の中である仮説を立てていた。

しばらくするとどこからともなく声が聞こえてきた。

 

 「お前たち4人は囚人だ。この後の運命は馬鹿でも想像できるだろう。しかし、お前たちには幸いにもその運命を変えられるゲームが用意されている。これからそのゲームについて説明しよう。お前たちは目覚めたとき、帽子を被っていることに気づいただろう。その帽子は被る者により色が分けられており、その色の内訳は白と黒の2つずつだ。もし、今自分が被っている帽子の色を当てられたらこの獄から出してやる。ただし、出られるのは最初に正解した一人だけだ。」

 

 いや、詰んだんですけどーーーーーーーーーーーー仮説的中なんですけどーーーーーーーーーーーこっち壁の向こうの一人サイドなんですけどーーーーーーーーーーーーーー。

 

 分からない人のために解説しよう。これは所謂論理クイズというもので、4人の囚人の内誰が帽子の色を当てられるのか論理を持って説明する問題だ。部屋には2段の階段と壁があり、階段に1人ずつ、床、そして壁の向こうに1人という内訳で囚人が配置される。階段の上にいる2人は床及び下の段にいる者の姿を確認できる。床と壁の向こうにいる人物は壁しか見ることができない。そろそろ感づいてくれたことだろう。壁しか見ることができない2人は帽子の色を当てること、つまり獄から出ることができないのだ。ノーヒントでこのゲームに参加させられているのである。

 

 私は駆け巡る思考の中で唯一「死」の文字だけはしっかりと捉えることができた。無理ゲーである。私は何故ここに連れてこられたのか、その原因を探るため記憶を辿ってみた。教授に散々なクオリティのレポートを提出したからか?サークルで原稿の締め切りを守らなかったからか?それとも売り物のケーキを落としたからか?考えれば考えるほど理由は分からなかった。そのとき、さっきとは別の声が聞こえてきた。

 

 「あのー、一番上の段にいる人に聞きたいんですけど、僕の帽子の色は何ですか?」

馬鹿がいる。この空間に馬鹿がいるぞ。誰が教えるんだよ。そういう交渉ゲームじゃねえよ。いや、交渉にすらなってねえよ。この馬鹿も自分の運命を理解できているのだろうか。馬鹿すぎて天の声の台詞さえ疑わしくなってきた。

 

 そう、この世界はどんなに偉い人物の言葉でも疑わしくなる時がある。この先も一番信じられるものを自分の中で決めて生きていきたいと思う。獄中だけど。

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非常に読みにくい文章だったとは思いますが如何だったでしょうか

 

それと、お気づきかもしれませんがこの文章、

書いてあることの9割は嘘です

あまりにも書くことが思いつかなかった末の悪あがきです

面白 “体験談” ではないですね 特に2本目に関しては実話だとしたら私は今頃天の国にいますね

 

この文章を思いついた経緯をざっくり解説すると、ケーキ屋さんはクリスマスのケーキを食べたすぎたため、ゲームは論理クイズが好きすぎたため、といったところでしょう

 

面白いエピソードで溢れる人生を生きたかったな

そんな気持ちでいっぱいな愉快な実習でした(これで締めでいいのか)

 

 

4日目は同じ主専攻フレンズのまきいしさんです!

klis雑に愛を叫ぶ Advent Calendar 2018 - Adventarの主催者様でもあります

こちらでも私は記事を書く予定(というか4日目)なのでどうぞよろしくお願いします

 

それでは~